『 放課後 』


9月始めの日曜日

週休2日となり、週に2日も休みがある。
ハッキリ言って、どう休みを過ごして良いのか戸惑う時もある。

けど、やりたい事は一杯思い浮かんで、
実行をしようと思うにも、時間が足りなくて半分も出来ず月曜になってしまう。

休みの大半を読書に使ってしまう。

今日も、毎週の様に行っている図書館へと向かい読みたい本を探す。
帰りに本屋さんへ寄り、欲しかった本が出ていないか、
何か新しいものは出ていないか、
1時間程を使ってゆっくりと店内を歩く。

数冊本が入っているリュックは重く、
自転車を漕ぐスピードも落ちながらも、
雨が降り出す前に、ようやく家に着き、
帰ってきた事を知らせると、自室へと入った。

カバンから数冊の本を取り出し、ベットに置くと
重力に任せる様に、ベットの上に寝転び、
近くにあった本を開き、読み始める。

時代物ではなくファンタジー

剣と魔法世界

久しぶりに読むジャンルは直ぐに引き込まれ、
無心でページを捲った。

途中で昼食だと呼ばれ、意識を現実に戻したが
急いで食べたゴハンの味は解らないまま、足早に部屋へ戻ると、
続きを読み始める為に本を開く。

『物語からこぼれ落ちたモノとか』

挟まれていた栞を手に取った時、
不二の言葉が思い出す。

不二先輩と話すのは、いつも放課後だよね・・・

始めてあった時も放課後の、部活の時間だった。

朋と桜乃のと一緒に帰る為、
本を読んで終わるときを待っていたら、急に話しかけられた。

『その本は面白い?』

初めて掛けられた言葉は今も聞く事がある。

名前と人から聞く言葉で、そういう人が言うという事は知っていた。

朋と桜乃の話の中にも良く出てきた。

クラスの話し声は耳に入り、良く名前も出てきていた。

そんな人が居るんだ・・・

適当な感想を思い、読んでいた本に集中した。

まさか、話しかけられるとは思わず、
初めて話した時は、言葉を合わせて会話をしていたが、
ダレだか解らなかった。

それ以来、朋達と一緒に帰る時は、
木の下で本を読んで過ごしていれば、必ず声を掛けられる。

不二先輩の話は楽しい。
話し上手だと思う。

なにより、兄なのだと解る。

他校に弟が居るのだと、朋と桜乃が言っていた。

自然と気を使ってくれ、居心地を良くしてくれる。

何度か話をしていて、

『不二先輩は疲れませんか?』

何も考えず、思った事を口に出してしまった。

『辛い事があっても、泣きたい事があっても笑っているんです』

コートから不二へと視線を移すと、驚いたのか目を見開く不二と、
目が合い

『感情を隠して笑い続けるて疲れないのかな。
 そう、私は思ったんです』

大それた事を言ってしまった・・・・

今、思い出しても、後悔しても仕切れない程・・・・

始めて逢った時はソウ思ったけど、
今は違う。

好き嫌いが無い
譲れる心を持っている。

小説の様に言うなら、
楽しみ方を知っている。

この言葉で合っていると思う。

でも、気に入れば、それを一心にする。

テニスも、気に入ったモノの1つなんだろう・・・

いつか、話に出た写真もソウなのかもしれない・・・

よく、空を見ている。

クラスの女子が話しているのも聞いた。

そういえば、雨が降った日に2人で空を見たけ・・・

あの時は、空一面が雨雲に覆われていて
強風に吹かれているのか、雲の動きは早かった。

『空は風が強くて、流されているみたいだね』

変わらない笑みのままの言葉に

「風に流されるのではなく、
 渡っているんだと思います」

反抗的な言葉を返してしまった・・・
声に出た瞬間、後悔したが。

「空を渡る雲かぁ・・・」

空を見上げたまま、言う言葉は重く、
空をバックに入れながら不二を見上げれば、
微笑みながら空を見たままだった。

「今日は良く思い出すなぁ・・・」

ベットに寝転び、思い出す事にしみじみと言葉を漏らす。

月曜日の放課後も不二先輩と話をするのかな?

学校に持っていく本を考え、カバンの中へ入れた。




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          不二と恋する1週間(仮)

          第5話目『放課後』でした。
          日曜日に当たってしまった放課後・・・・
          どうしたもんかと思ったんですが、なんとなったと思いたい・・・